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【「住田海事賞三賞」 受賞者決定のお知らせ】

2020年度「第52回 住田海事賞三賞」決定
蓄積した知見と経験を丁寧に解説する実用書・専門書 2冊が受賞
一般社団法人日本海運集会所
住田海事奨励賞管理委員会
 第52回「住田海事賞三賞」が12月1日に発表された。
 この三賞は、ヽせ全般に関する専門図書を表彰する「住田海事奨励賞」海事史に関する専門図書を対象とする「住田海事史奨励賞」G用・造船関係および広く海事技術に関わる専門図書または論文から選ばれる「住田海事技術奨励賞」―の3つから構成される。
 日本海運集会所の住田海事奨励賞管理委員会で各賞の候補作について検討を重ねた結果、今回は「海事奨励賞」に「海損精算人が解説する共同海損実務ガイダンス」(重松徹監修/株式会社浅井市川海損精算所編著)、「海事技術奨励賞」に「帆走工学 セーリングヨットの設計と性能」(増山豊著)が選ばれた。海事史奨励賞は該当作がなかった。
 授賞式は11月13日に日本海運集会所で行われ、浅井市川海損精算所の中島清一社長と三須啓子さんにそれぞれ賞状と賞金が授与された。三須さんは、2018年に逝去された増山豊氏のご令室。
 この賞は、海運、造船事業に長く従事する傍ら、海事資料の刊行や廻船式目の研究などを通じて海事文化の発展に広く寄与した故・住田正一氏の功績を記念して創設された。ご子息の住田正二氏(元運輸事務次官、元 JR東日本相談役)が 1969年に「住田海事奨励賞」を創設し、加えて2002年に「住田海事史奨励賞」が、08年に「住田海事技術奨励賞」が併せて設けられた。

 今回受賞した専門図書と授賞理由は次の通り。

左から 三須啓子さん、 中島清一社長
住田海事奨励賞
  重松 徹 監修 ・ 株式会社浅井市川海損精算所 編著
  「海損精算人が解説する共同海損実務ガイダンス」

   体裁:B5判/ 272頁  定価:3600円(税別)  発行:成山堂書店

 本書では、海損事故の際に損害を利害関係者の間で公平に分担する共同海損という非常に複雑な計算を伴う実務について、海損精算人が分かりやすく解説した実用書である。難解かつ複雑な共同海損を平易な言葉と実例の引用などでこれ以上ないほど分かりやすく解説している。
 日本最古の海損精算事務所のエキスパートたちが中心となり、60回以上の編集会議を経て執筆された原稿を読み合わせ、さらに執筆陣以外の手で校正し、法律事務所による法律・規則関係の確認を行って、3年余をかけ仕上げた労作となっている。
 海損精算人が蓄積した共同海損の知見をコンパクトに整理し、充実した内容を分かりやすく解説した決定版的な実務書と言える点が評価された。

 【編集委員】
   和氣秀樹(編集長)、梅野浩二(主筆)、片山静剛、守川勝、小山裕昭、上野和寿
 【校正委員】
   鴻野立明(主幹)、油谷泰郎、山田司、高橋裕勝、中島清一、田代誠三(元商船三井)
 【監  修】 
   重松徹


住田海事史奨励賞
  増山 豊 著
  「帆走工学 セーリングヨットの設計と性能」
   体裁:B5上製/ 240頁  定価:7000円(税別)  発行:海文堂出版

 本書は、セーリングの喜びと工学的分析や設計手法をつなげ、帆走工学を体系的に学ぶことを目的とした専門書である。著者が設計したクルーザーを材料とし、排水量や復原力の計算法、水面下の船体やセール(帆)に働く流体力の推定法、速力予測と海上実験における検証結果の解説、操縦運動とタッキング運動のシミュレーション例などを盛り込んでいる。
 著者の故・増山豊氏はセーリングヨットの設計・建造・実務から大学における教育研究まで幅広く活躍しており、本書は研究業績の集大成と言える。
 日本では帆走の工学的研究は顧みられることが少なく、動力船を主対象とする船舶工学の体系に帆走工学は十分に組み込まれていなかった。そうした中、本書は帆走工学の体系化を通じて海技技術に大きく貢献している点が評価された。

増山 豊
1969年富山大学工学部機械工学科卒業。1971年富山大学大学院工学研究科修了。1972年横浜ボート(有)「熊澤舟艇研究室」にてヨット設計を熊澤時寛氏に師事。1975年金沢工業大学助手。その後講師、助教授を経て教授。1984年工学博士(大阪大学)。
この間、ヨット・小型舟艇の性能解析をメインテーマとして研究。ニッポンチャレンジ・アメリカ杯船型委員会委員(1989 〜 2000年)、セーリングヨット研究会座長(1993 〜 2012年)。
2012年金沢工業大学定年退職、名誉教授。金沢工業大学実海域船舶海洋研究所。2018年4月24日逝去。
米国造船造機学会リチャード・ミラー賞(1993年)、関西造船協会賞特別賞(2001年)、日本船舶海洋工学会学会賞(2018年)を受賞。


※著者の経歴については書籍から抜粋し編集部でまとめています。