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【「住田正一海事賞三賞」 受賞者決定のお知らせ】

2016年度 「第48回住田正一海事賞三賞」決定のお知らせ
一般社団法人日本海運集会所
住田正一海事奨励賞管理委員会
 「住田正一海事賞三賞」(※)は、海運、造船事業に従事する傍ら、海事資料の刊行や廻船式目の研究などを通じて、広く海事文化の発展に寄与した故住田正一氏の功績を記念して昭和44(1969)年に設置されたもので、48回目を迎える今年度も海事奨励賞候補作、海事史奨励賞候補作および海事技術奨励賞候補作に意欲的な応募がありました。
 各候補作について(一社)日本海運集会所・住田正一海事奨励賞管理委員会で慎重に検討を重ねた結果、以下のように決定しました。


篠原正人氏(左)、関根博氏(右)






「住田正一海事奨励賞」(以下、海事奨励賞)
 『船の百科事典』
 (船の百科事典編集委員会 編、編集幹事 篠原正人、発行所 丸善出版株式会社)
「住田正一海事史奨励賞」
 該当作品なし
「住田正一海事技術奨励賞」(以下、海事技術奨励賞)
 『実践航海術』 (関根 博 監修、株式会社日本海洋科学 著、発行所 成山堂書店株式会社)

11月7日に授賞式(於:日本海運集会所)が開催され、賞状・賞金の授与を行いました。
受賞理由は、次のとおりです。
 

  ◆海事奨励賞
   『船の百科事典』
  (船の百科事典編集委員会 編、編集幹事 篠原正人、発行所 丸善出版株式会社)

 本書は、当初「乗り物シリーズ」の百科事典の一冊として企画されたが、編集幹事となった篠原氏の方針で、単にハードとしての船の解説にとどまらず、船にかかわる産業としての海運、港運、造船にまで範囲を広げ、それら船と海事産業の全貌、そして日本の生活や経済に果す役割を理解してもらう意図で編纂された意欲的な図書である。
 百科事典であるが、最初から章を順に追って通読しても飽きない深さがある。図表や写真を交えて平易な説明を試みながら、専門的な技術知識や経済・経営的な視点を盛り込む高度な内容で、海事産業に従事する実務者の座右の書として役割を十分果たす。
 各分野の一流の研究者や事業の第一線で活躍している専門家27名が執筆しているが、各項いずれも内容が充実し、かつ統一感があり、執筆や編集に相当な時間をかけたことがうかがえる。そうした点を総合的に評価し、海事奨励賞とした。

<執筆者等>
船の百科事典編集委員会・執筆者(平成27年12月25日発行当時)
編集幹事:篠原正人 東海大学海洋学部海洋フロンティア教育センター
編集委員:金子 仁 元東海大学海洋学部航海工学科航海学専攻
      津金正典 元東海大学海洋学部航海工学科航海学専攻
      林 尚吾 東京海洋大学名誉教授
           株式会社エクサテクノロジー代表取締役社長
執筆者(50音順)
青戸照太郎、井上一規、海部圭史、加藤信男、金澤匡晃、金子 仁、
幸島博美、酒井久治、篠原正人、庄司邦昭、関根 博、武井立一、
津金正典、中村哲朗、野口恭広、野口杉男、橋本 剛、春山利廣、
増田尚昭、松尾俊彦、光田明生、森 明、森田喜信、八木 光、
安本浩之、吉田 進、渡辺隆典

海事技術奨励賞
  『実践航海術』
 (関根 博 監修、株式会社日本海洋科学 著、発行所 成山堂書店株式会社)


  本書は、船長・航海士には航海の現場において確実に役立つ実務マニュアルとして、航海士を目指す学生には現場を想像できるテキストとして、豊富な実務経験に裏付けされたノウハウを誇る海事コンサルタント「日本海洋科学」社の出版プロジェクトチームが執筆した。
 監修者である関根博氏の前書き「航海学はもともと自然科学的(数学的)なアプローチにより体系化されてきたが、近年では、安全運航の達成を目指すには (中略)経験、判断、技巧といった社会科学的、すなわちart的アプローチが必要となってくる」という言葉に表象されるように、航海おいてヒューマンファクターがかかわる要素は大変大きい。
 ヒューマンエラーを犯さぬための知識、手順、訓練が重要となるが、従来暗黙知で伝承されていたものが多く、本書では「術(art)」としてそれらの明文化を試みている。航海で生じるさまざまな状況について、本書は余さず、また簡潔にまとめており大変読みやすい。航海術のテキストとして世界のスタンダードとなりうる点を評価し、海事技術奨励賞とした。 

<執筆者等>
監修 関根 博 株式会社日本海洋科学 代表取締役社長
執筆 株式会社日本海洋科学 出版プロジェクトチーム

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※ これまで三賞の総称と各賞の双方に「住田正一海事奨励賞」を用いていたが、今回から総称を「住田正一海事賞三賞」に統一した。